― とりかごの都市・外部 ―
『……派手にやってるな』
[閉ざされた籠の内で交差する力と力。
その波動を感じ取りつつ、呆れたような呟きを漏らす蒼い影、ひとつ。
蒼い瞳はとりかごに真っ直ぐ向けられていたが、ふと感じた気配にす、と横に流れた]
『……珍しいな、アンタが出てくるとは』
[視線と共に向ける声はぶっきらぼうなもの。
向けられた相手──黒衣を纏った金髪の男は、ふ、と薄い笑みを浮かべる]
『『紡ぎ手』が自ら動く、などという珍しい事態を、坐して眺めているというのも無粋かと思ってな』
『……相変わらず……』
『しかし、お前よりも先にあちらが動くとは……全く、予想だにしていなかったな』
『そこは、同意する』