[獣は、ジムゾンは、どうしただろうか。何か言っただろうか。
懐からナイフを引き抜きながら、やさしく、言い聞かせるように言葉を紡いでいく]
……もう、終わりにしよう。
もう、苦しまなくていい。
俺は、お前だけじゃなく、見殺しにしたリーザや、ディーター、それにこの手で殺したオットーの命を背負って生きなきゃならないから。
あの時、お前とそう約束したから。
だから俺はお前と一緒に逝ってやる事はできないけど、生きてりゃそのうち死ぬから。
それまで、みんなと一緒に、あっちで待っててくれや。
[一言、一言。
口を開く度に、頭を、首を、優しく撫でる]