[娘が密偵に扮した侍女に毒薬を渡し水に毒を混ぜる工作に此方は気づかず>>35。気付いたら気付いたらで、知らぬ振りを通すつもりだったが。
監査局長は先王の意思を推測し、理想の未来を物語る>>46。
そう、“あの時”父が語ってくれたのと同じ考えなのだ。
直接父の口から語られた想いを知りながら、此方は敢えて捻じ曲げた。
今更、それを悔いて懺悔するには、もう遅すぎた。
不敬と申す言葉はそれとは思えない>>47。
怒りと侮蔑、という負の感情を交えながらも、告げられる言葉は諌めるもの。
もし父が生きていたら、きっと同じ言葉を送り叱るだろう。
統率者の資格など、あの時から捨てた、故に“統率者”ではないただの“破壊者”なのだから、何をしたって良いだろ、と開き直ろうとしても。
結局は、どちらになれず中途半端だった、という事。
その結果、何も得る事は出来ず、重く圧し掛かる罪科が渡されただけだった。]