ねえ、それじゃ君は
彼のことは疑っていないのかな?
……カサンドラ。
君は、誰がアデルをこんなに酷い目に遭わせたんだと思う?
[ 続けて畳み掛ければ、彼女の瞳を見た。 ]
こんな酷いことが起きているんだから
人狼は間違いなくこの船にいるんだろうねえ
…じゃあ、誰が"そう"なのかな。
セルウィンが怪しくないのなら怪しいのは誰?
……ね、カサンドラ。――カサンドラ。
君には心当たりはないのかい?
人狼、恋天使…それと、死神だっけ。
どれか一つでも、怪しいと思う誰かはいないのかい?
[ 一方的な離別を告げた学者の言葉はやや冷たい。
にっこりと、笑顔の花を咲かせて問いかければ
緩く首を傾げて、返事を待つように黙り込んだ。* ]