………ルティ。おっまえなあ。
[食事に意識を振り分けかけたところに、
綺麗な笑みを向けられて、不覚にも額が熱くなった。
先刻から意味もなく傍の通路を行き来している店員、
あいつ絶対聞いてるだろ、間違いない。]
………俺は、
あとで、な。
[相手にしか伝わらぬほど、声を落とす。
自分の言葉は兎も角、彼女の反応まで
わざわざギャラリーにくれてやる趣味はない。
『恋人』に、どのようにして伝えようか。
上辺をなぞる戯れではなく、内側に届く本心を。
愉しい想像に想い馳せながら、今は『デート』の続きをしよう*]