― ローゼンハイム個室 ―
……まあ、確かに。
血の固まり具合とか見ても、ついさっきの今、って訳じゃないだろうけど。
[そのくらいは見ればわかるから、静かに言って]
……でもそれならなんで、すぐに皆を呼ばなかったのか、とか。
そういうところ、引っかかるんだよね。
……ぼくには、きみが『ひと』であるという確証はない。
というか、それがあるのは、自分以外にひとりだけだ。
だから、些末なところほど気になっちゃうんだよねぇ。
[ごく何気ない口調でさらりと告げる。
それが周囲に呼び起こす波紋は、ある程度まで計算済みで。**]