― 過去 ―
確かに花屋では見ない顔ぶれだね
開発の進んでいない自然の多い星ではたまに見かけるよ。
どこにでも咲くということはそれだけ強いということさ
僕も花屋に並んでいる綺麗な花たちよりは
そういった生命力の強い小さな花の方が好きだな
[ 名前を聞けたら確りと記憶に留めておいて、>>20
彼女の口から出る花一つ一つを頭に思い浮かべた。
贈る相手もいないので、そうそう花屋には立ち寄らないし
どちらかといえば目にする機会が多かったのは野花の方で。
ありふれている草が食料になる例も知っていたので
素直に僕も好きだよ、とカサンドラの言葉を首肯する。 ]
ふふ、君とは趣味が合うらしい。
この船を降りられたら散策にでも誘いたいくらいだね
僕の故郷の星は緑が豊かで手つかずの自然が多いんだ。
もしかしたら、薬草もあったかもしれないし――。
[ まだ未来の確定していない頃。
無事に船を降りられるのかもわからなかったから
"もしも"降りられたら、と仮定しただけの未来の話。
それから母星の話を続けて話したような覚えがあるから、
彼女が船を降りられない話は聞きそびれてしまっただろう。 ]