――手先が器用なのは羨ましい。 うちは弟の方が器用だったかな。 裁縫が上手いなら繕いものを頼みたいくらいだ。[淡い笑みを湛えたままあれば、カークと視線が重なる。時折、何処か懐かしむような、それだけではない深い色を滲ませる彼の双眸。以前も何度か向けられた覚えがあるが――。理由が知れず僅か首を傾げた。] 私は、キミの知る誰かに似ているのかい?[届くか届かぬかの淡い響きを零し] 嗚呼。 思い入れあるこの艦が失われぬよう善処できれば――…。[溜息零すカークに眉を下げて言う。]