あの、マリエッタさん、重ねて唐突なお願いなのですけれど……
[おずおずと切り出した]
もし、よろしければ、私の友人の絵を描いてもらえませんか?
昔、この屋敷に住んでいた、礼儀正しくて、少し不思議で、ちょっとお茶目な女の子。
ピアノが得意で、大人ぶっている割に、いつまでもクマのぬいぐるみ>>41を大切にしているような子供。
女の子だけの秘密のお茶会なんてしたがるくせに、男の子みたいな車のおもちゃだって持っていた。
でも、どうしても姿がはっきりと思い出せなくて。
執事さんやこの屋敷に聞いたら教えてくれるかもしれないけれど、言葉だけでは足りないの。
[そういって、真剣な目つきで覗き込む]
いまはあんまりお金を持ってきていないしお金持ちと言うわけでもないのだけれど、絵の代金は後で必ず払います。
かなり無茶なお願いということは十分承知の上で素が……引き受けもらえませんか?
[そう言って返事を待ったが、無理は承知の上、もし断られればそれ以上食い下がりはしないだろう]**