[一通りパンフレットに目を通し、朝霧の部屋から出て階段を降りた先には、食堂からカレーの芳しい匂いが漂ってきた。
残念なことに、先程ミックスサンドを食べたばかりで空腹にはまだ早かったが。]
(食事はもう少し後でいいかしら。でも、遅くなったらまた残り物しかなくて、肉のないカレー出されちゃうかしら。)
[どうでも良い小さな不安を抱きながら、今の間に食事を済ませるべきか、どこか散歩に出てみるべきか、と真剣に悩んでいた。
近くを通りかかれば、食堂と玄関ホールの間の廊下で、食堂をチラリと覗き混んだかと思えば、資料の地図を眺め悩んでいる挙動不審な姿があるだろう。]**