― 出会いの時 ―
俺は認めない。
[ 認めてたまるか、と、睨みつける瞳に込めた怒りは、目前の『勇者』に届いたか ]
お前のような奴が、聖魔剣の主、勇者だなどとは、絶対に認めないぞ!
[ 血筋だから、と、自らの意志も問われず勝手に聖魔剣に選ばれ、勇者として生きろと定められた相手にすれば、それこそ、身勝手にしか聞こえぬ糾弾だったろう。けれど ]
俺が、お前だったなら...
[ 望まぬ力を与えられる者もいれば、どんなに望んでもその力を手にできぬ者もいる。それは、抗うことの出来ない運命なのだとしても、何故?と、思わずにはいられなかった ]
何故、俺ではなく、お前が勇者なんだ!?
[ 本当に理不尽極まりない言葉を投げつけたものだ、と、思いはしても、それを悔いる気だけは、今でも無い* ]