[船を守ると言った彼女は、今頃
くつり。くつり。含み嗤う。
嗤い声と伴に、隠された心は涙を零す。
ちらり、腰に佩いた刀を見る。
養父の言葉を思い出す。
襲ってくるのは罪悪感嘲笑]
なぁにが “ 守るために抜きなさい ” だ
[下卑た嗤いを響かせる。
くだらない。刃物はものを傷付けるためにあるのに。
甘っちょろい考えに吐き気がする。
父さんの教えを守れなかった。
今のぼくには、この刀が重い……――。
重すぎる必要のない刀を鞘ごと投げ捨てる。
こんなくだらない物、いつまでも持ってても吐き気がするだけだ。
捨ててしまえば清々した。
このままメイン・サロンへ向かおうか。
そこのBarで座って待っていれば、孰れ誰か来るだろう。*]