―医務室―
[周りの人達の様子を観察していれば。
先程、浅い眠りを取る寸前に、傷のない右肩を、
微かな震えめいた気配を纏う、シメオンの
氷の様な冷たい指先が掠めたのを、想い出す>>48
霞む視界に映る表情や、古傷のことまでは読み取れぬものの。
少しでも安心させてやりたいと、笑もうとして――…微睡みに落ちた
ややあって覚醒し、そうっと上半身を起せば。
てっきり、通信時のように>>4:220、
蹴り飛ばされそうな眼差しに刺されるかと、思いきや。
驚いた後、安堵めいた溜息を吐く>>48、常になく素直な様子に、
内心で首を傾げ。
ふうん…さっきの冷たい指先の震えそうな気配は、
よっぽどのことが理由かねぇ…と、
一瞬だけ、思案気に淡い光色の瞳を細めた]