[口からも鼻からも、血を吐きながらのた打ち回る。胸に開いた大穴に、やっと張った皮膚が破れる。全身の傷痕から、痙攣するたびに床に鮮血を撒き散らした。魔血が体内に入れば自壊するようにと、あらかじめ強化手術の際に組み込まれていたのだと、聖将ならばそれを見て理解できたかも知れない。貴重な実験成果が魔の手に落ちるのを防ぐ為に、それは本人にさえ知らされぬ間に仕込まれていた――と。]