[小屋に戻れば、窓際で眠る茶色の兎が一羽。>>36]
これは、お前か?
[小屋にいて洗濯をできたであろう、夢の中の茶色い兎。
昼間のあれは、恐らくは彼の仕業なのだろう。
ブランケットを抱えて顔を覗きこめば、満足げな顔をして眠っている。]
[ファミルに気を使っていたとき――むしろ彼が、何かしら孤立していたような気がして、
満足げに眠る今の様子にほっとする。]
…なんかええことあったんか?
返すで。
[ルートヴィヒはリヒャルトにそっとブランケットをかけると、その背を優しく撫でて、くるりとキッチンに向かい、夕食の準備をする。]
[料理のレパートリーはないから、昨日のミネストローネと被ると知りつつも、パンと併せやすいホワイトシチューを作っただろう。]