[空を翔け、拠点へ戻る最中に感じたのは強い水気。
それを齎した者が誰かは、その力の波動からはきと感じられる]
……さすがに……。
[強いな、という言葉は声にはならない。
代行者としてその対極を預かった時期もあったが、根本的な力量差に圧を感じていた事は否定できず。
その任も解かれた状態で近くに感じた力には、改めて、圧倒されるものを感じていた]
朱雀様が絶対無二と認める御仁だよなぁ……。
[ほろ、ともれたのは主が決して表に出さぬ心情の一端。
聞く者がないからこそ漏れたそれは風に散らして。
ふわり、拠点へと舞い降りた]