― 精霊節の前 ある鍛錬 ―
[それは勇者達8人の顔合わせも済ませた後の事だ。
『ひとまずその持久力を更に向上させてみろ?』と
トオルの訓練を眺めていたアイルリートは、その日は珍しい事に人を訪ねていた]
…癒者のレントナーとはお前であっているな!?
この僕に付き合って貰おうとも!
近頃、トオルを眺めるだけで身体がなまり続けていたのだ!
癒しを得意とする者との鍛錬というのは中々得られない機会でな。
お互い良い刺激となろうとも! さあ鍛錬所へと行くぞ!
[いちおう、提案の体はとっているが、アイルリートのそれは、ほぼ連衡の意思表示に等しくはあった。
神殿騎士や神官長でも無く、飽くまで治癒班の所属である彼を、そのターゲットに捉えた理由、それは何という事はない。
神殿につめる癒者が、ウェルの遠縁にもあたる人物である事を知り、興味を覚えたからである]