― ハールト西 ―
[手勢に合流後、割と直ぐに何者か>>33の気配を察知し。
弓兵は一端は射撃体勢に入るが、それがヴェルザンディ本人であり、敵の気配もないと解れば直ぐに体勢を解除する。]
ヴェルザンディか。よく来てくれた。
私も一旦は前線で情報を集めたが……報告を。
[そう言い、双方の情報を整合する。
双方の持っている情報には大した差異は無い。こちらとして新しい情報は、敵の指揮官が第二王子と一緒に居たものだった、というあたりか。
一方、こちらは第二王子が南方、ファットリア地方に現れたらしい、という情報を持っていたのでこれを提供して]
……第二王子と一緒に居た者、か……第二王子が刃向かってきている以上、居るだろうとは思ったが、やはりか。
船の使い方に、民兵の射殺。クロスボウを配備するという作戦立案も悪くない。連中の指揮官は冷徹にして優秀だな……
認めよう。連中の油断を誘うのは望み薄だ。全て読まれているとも思えんが、言うほど甘い相手でもない。
ハールトに兵を集中させずにファットリアを取りに行ったのも……山岳からの急襲が意図されているような気がしている。そうなら、どこかで楔を打つ必要がある。