え、何っ……。
[空間が歪む気配と、強い精霊力の発露。
とっさに足を止めて身構えたその目の前で、光の塊は昆虫を思わせる翅を持ったトカゲの如き姿へと形を変える。
水晶細工さながらに透き通ったそれはきらきらとした虹色の光を放ち。
その感触はとても良く馴染んだものの気配を帯びていた]
え、ちょっと待って。
お菓子だけじゃないんですかー!?
[どう見ても異界由来の魔法生物と思しきそれも、先の鳴き声で呼ばれた、と読むのは早い。
ぴゅぃぴゅぃ、と可愛らしい鳴き声を上げる翅トカゲはこちらの困惑など知らぬ様子で、どこかへと飛び去ろうとする]
あ、待って、待ちなさいってば!