人狼物語−薔薇の下国

407 ルー・ガルー戦記 9 〜ラモーラル辺境戦


山賊 マーティン

―キュベルドンの森にて―

[燦々と輝く太陽、その恵みを受けようと木々は今日も貪欲に枝葉を伸ばす。
木々の合間を縫うように小川が流れ、キュベルドンの森を潤す。

そこに、橋が架かっている。
大して大きくも無い、けれどもその橋を渡らなければ先へ進めないという場所に、クマは立ちはだかっていた。]

 おうおう、坊主の割には結構良い身なりしてンじゃねぇか。

[クマは、がはは、と下品な嗤いを浮かべた。
今日は良い日だ、鴨が葱を背負ってきた。
そんな風に、クマは思った。

クマは、山賊だった。
2メートルもある巨躯に物を言わせて、人々から金品を巻き上げていた。
気の弱い人なら、その風体を見ただけで身を竦めた。
気の強い人でも、喧嘩で勝てる者は居なかった。

クマは、その森の王者だった。
大振りの斧を見せつけるように何度も素振りをしながら、ゆっくりとクマは少年に近付いていった。]

(51) 2016/02/11(Thu) 09:43:37

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