[そして燕が空を飛ぶように流れていった8年間。
心に蓋をしたまま歩き出そうとしたら、お節介な先輩が壊していってくれた。自分が軍務に着くより前に行方不明となったまま、彼にも改めての礼は言えていないけれど。
そして7年間、寝起きを共にした、
素直で真面目で控えめかと思えば、一度決めれば意外と頑固で行動力もしっかりとあって。
現実的かと思えば、自分の作ったお伽噺の人形を随分と気に入ってくれたりして。
慕っていた先輩との突然の別れに心を痛め、それでも必死に耐えてみせようとして、けれど手を伸ばせば素直に受け入れてもくれた。
最後の二年間は実技の腕もグンと伸ばし、生徒会長として自分達を送り出してもくれた。
あの7年間だけでも、ウェルシュの名を両親から貰った