あ、そうだった……シメオン、歩けますか?
担架よびましょうか?
……あれ?
[その問いに返答はなかった。
何故なら、その姿はもうその場には無かったから。
そして同時に、医務室から若干距離のあるここへ、あの足で歩いてきたのかと僅かに驚いた。
ふと、ダーフィトの傍らに控えるスノウ>>6:182に、尋ねる。]
ねぇ、スノウ。
……ダーフィトがここにいるって、昨日皆に伝えましたか?
もしそうなら、そのとき、……皆はどこにいましたか?
[白い猫からの答えはなかったかもしれない。
しかし、ダーフィトから連絡が入りそうなカークはまだしも、シメオンが自分とほぼタイムラグなくこの場所にいたことに、疑問を抱く。
あの足で、歩くのならば、……時間がかかるはずなのに。
それはほんの一欠けらの疑念。
ダーフィトを連れてゆく間に、溶けて消