― 公国前進拠点・個人執務室 ―
(……そのピアスは、)
[いつだったか、フレデリカに聞いてみたことがある。
不揃いのピアスとイヤリング、陰口>>1:20を直接耳にしたわけではなかったけれど、アンバランスなアクセサリーが気になって問いかけたのだ。
せっかくならば、似合うものを贈ろうとも思ったのだ。
けれど…少しだけ、花飾りのイヤリングが気にならなかったと言うもの、嘘じゃない。
結局話は流れて、新しいピアスが贈られることはなかった。
花のイヤリングの、片方の持ち主の名は聞けただろうか。
どちらにせよ、彼女が心残している誰かの面影は、ずっと心の隅に引っかかり続けていた。
遂には口に出して、それと問う>>5:311まで]