[ 私の頬へと伸びるしなやかな指。>>34
溢れた涙。>>27
主人が悪いのではないと、謝罪の言葉には
首をぶんぶんと横に振って。
次の瞬間、私は主人の腕の中にいた。
驚いて目を丸くするけれど、前に抱きしめられた時とは違う。
息が苦しくない。
あの時は頭が真っ白になって何も考えられなかったけれど
今ならわかる。
髪を撫でる主人の手の優しさも
私を抱きしめる主人の温もりも
全部、感じることができる。
ロー様にした質問の答えも、全部。>>5:186,>>36
そうか、ロー様は本当に"全部"知っていたんだ。
…この時、ロー様にヤキモチを焼いたのは秘密。
私の両手が行き先を探してと宙を彷徨う。
────やがてそれは控えめに主人の背中に触れた。 ]