― 上層 ―[虚無がいる上層へとくれば、少女は虚無の大きさに目をぱちくりして。]おっきいねぇ、おっきいねぇ。[様々な正の感情から変じ、沈殿し、凝ってしまった感情《もの》。]……苦しかったね?[優しく笑みながら、こてん、と首を傾げる。ばさり、と畳んでいた翼を広げると、少女は響く竜の歌声を背に、上空を舞い。]