…へえ、おじさんもか。
何だかね――彼は殆ど姿を見なかったし
何処で何をしているのかも分からないし、
不審に思えてねえ。指名したわけさ
[ セルウィン某について、
不審な人物だと思っていたのは本当。
だけれど、口にはしないもう一つの理由もある。 ]
( 青い髪の彼…あの時、"見て"いたな )
[ 少し前に学者が貨物室へやって来る前。
アデルと通路で殴り合いをしていた頃。
此方を見る翡翠の色に似た瞳の彼>>19
その存在には気付いていたけれど。
騒ぎ立てる様子でもなかったし、
黙って見ているようだったから放っておいた。同時に、
核心的な部分は見られていないと確信もしていた。 ]