[>>38取り敢えず、今は告げずともいいかと思い直す。
今は勝利すればいい。――敵方に親友がいるかもしれない、という漠然とした不安は胸の裡にあるが。]
そこまでうっかりされては困る。
[簡単には死なない、その意思を聞けばひそりと安堵の息をつき。
自身もすっかり砕けた態度を取っている事には気付かない。]
いいからさっさと飲めよ。
――生き血が欲しければ俺のを少し分けてやろうか?
[グラスをちらりと見、溜め息を零すジークムントに向けるのは意地悪な笑み。
人の生き血を好まぬ彼が、同胞の血であれば大丈夫なのかどうなのかは知らない。]