[遭遇した公国兵についても報告しておく。
河を挟み、少数の偵察隊らしき者たちと遭遇した事。
……彼らを率いていた人物の姿など。
補給物資の書類を読み上げるような口調。
抑揚がない分、逆に不自然に聞こえたかもしれない]
――…遭遇した偵察隊は、数人の小規模なものでした。
隊長らしき人物は、鋼色の短髪の男で、年は私と同じくらいだったと思います。瞳は暗めの青、だったかと。
馬の扱いに、非常に長けている人物でした。弓を用いており、河のこちらまで矢が届きました。……良い腕です。
互いに、威嚇射撃を多少やりあった程度ですが。
[乾いて血の止まった頬を、軽く擦った]