[例え、此処でジェフロイが本当の本当に願いを叶えたとして、
悪魔は他にも大勢居るのだから、斥候の天使達の襲撃・討伐は
恐らく避けられないだろう。
それでも、彼を行かせてはならなかった。
彼一人分の戦力を削いだ所で如何にもならないのだとしても、
護りに重きを置いた自身の役目を果たしたい。
その為なら、己の全てを投げ打つくらい安いものと
屈辱や羞恥に耐えた。]
―――……?
[遠かった足音が戻って来る。
頭の先まで近付くと、上半身に力を入れて衝撃に備えた。
良くて踏み付け、悪くて蹴り上げだと思い込んでいたからだが、
いくら待てども衝撃は来ない。>>25]