痕跡…そうだ痕跡を辿れば…――[クレステッドの言葉にはた、と思いつき茨を握り込む。城の中を漂う空気とはまた少し違い、独自の意志を持ったような茨は城主に繋がるのではないかと考えて――。意識を集中する、すぐに白い光りが2つ。ソマリとユーリエだ。城の内外を血管のように巡る蔓に意識を乗せて"視た"景色は全力疾走する馬上から見たように、あっという間に通り過ぎる。]――![>>35 そのとき広間の入り口から、明らかな魔の気配を感じ取りびくりと振り返る。]