[>>48湯から上がる音の後、こちらへ近付いてくる足音と声が聞こえてきて。]あぁ、失礼。まさか動物がいるとは思わず。これ――いえ、この子は貴方の犬ですか?[動揺を隠そうと無意識に眼鏡のブリッジを押し上げる仕草をしたが、眼鏡は脱衣所にある事を思い出す。俺が顔に浮かべたのは苦笑い。けれど向けた言葉に責めるような響きはない。]