[そうして、静寂が支配する、生命の気配無き冬の世界。 凍柊の領域へと辿り着く。] 寒っ……、[瞬く間に睫毛は凍り、吐く息は白く、自分の体温が酷く小さく感じられる。 呼吸をする度、凍った空気が肺の中に這入り込み、体を内側から冷えさせる。 圧倒的な氷雪の気配に、リリの存在もまた、酷く小さいものだと感じられた。 両腕で体を抱え、丸まるように身を縮ませる。**]