おや、旅の方ですか。
この降りでは、難儀なさったでしょう……雨が止むまで、ゆるりとどうぞ。
[旅の空、天気の変化は難儀なもの、というのは身に染みている。
だから、旅人の願いを拒む理由はなかった]
ニコラスさん、ですね。
ぼくは、この教会を預かる者で、アルビンと申します。
……この子は、ぼくの同居猫さんです。
[冗談めかした紹介に、黒猫はにぃ、と一鳴き]
今、身体を拭くものをお持ちしますね。
……着替え……も、必要ですか?
[濡れたままでは身体に悪いから、と問いかける。
なお、声から男女の別が判じ難かった事もあり、無理に着替えを押し付ける心算はなかった。*]