― 回想・とある異世界、白の間 ― 『と、いうわけなのです。あなたにはできるだけ長く、この世界で暮らしていただきたいと――…』[白の間には五人……いや、一人と四柱の姿があった。金貨の姉、杯が異世界から召喚された人間へ今の世界の状態と頼みたいことを伝えているのだが、金貨は矛と杯の後に隠れる形になっているため、相手を窺い知る事が難しく、また、金貨自身それどころではなかった。姉がしている説明も話半分しか聞こえない程、金貨は自身の思考へと沈んでいたのだ。]