─食堂─
[厨房からは食欲をくすぐる匂いが漂ってくる。のはいいんだけど、食堂やってる祖母の所で育った俺には少しばかり物足りない味だったりする。美味いとは思うんだけど、祖母のペスカトーレやパエリアに叶う味は、この食堂で出会った事がない。
いや、単に乗っけてる素材の問題かもしんないけどネ。
なんて事を考えながら、少佐ちゃんの姿を探せば居眠り中の士官に飴ちゃんなんてやっている>>43
飴ちゃん捧げられた居眠りさんは──]
おや、おとなりさん。
[自分に宛てがわれた船室の隣人である主計科の青年だった。
何だか和む図だなぁと少し頬が緩む。弟と妹のやり取りを思い出したから]