― 出立のとき ―
……ジムゾン、どうした?
[隣を歩く幼馴染が何か独り言を呟いている気がして、そちらへ視線を向ける。
もしかして荷物が重かったのだろうか?とか、それとも何か遣り残したことが残っているのか?と考えていると、突然袖を引かれた>>38。]
ん?ああ、そうだな。
[フリーデルが素直にジムゾンを頼ったことで、二人の関係は改善されたと思い込んでいる男は、さして気に留めることもなく促されるまま歩き始める。
男は死者の嘆きも恨みも苦しみも見えない。どんなに強い感情をぶつけられていても気付けない。
自分が考えている以上の罪をその背に負いながら、たった一人を守って村を去っていく。]