……どうせ、教えてくれやしないわ…
[真っ直ぐな眼差しに見つめられて、思わず目を逸らした。隣に彼が居ると解っていても、一度零れた想いは、留めることも出来ず溢れ出す]
あの人はいつも、独りで何か抱え込んでる。
…いつも、いつもよ。
シェイの事も、フィオンの事も、私が気付いた時には全て終わってる。
堕天使の力の事も、呪いの事も、大切な事は何も教えてくれなかった。
私はあの人の力になりたいのに、あの人は何もさせてくれない。
………何も……
[俯いて弱音を零す女の手は、胸元のリングを握り締めていた―――]