― 翌朝 宿屋302号室 ―
[…覚醒時、手の届く場所にお気に入りの感触が無い事に気づく。
瞼を擦りながら、ふらふらと扉を開けて。
夜通し、部屋の見張り番をさせてしまったみにぺた君を持ち上げた。]
ごめんな、みにぺた君。
ひとりぼっちで見張り役、寂しかっただろ。
……そろそろ、お前も家族がほしい?
[みにぺた君に問いかけては見るけど、勿論返事は返りなどしない。
何してんだ俺。と人形繰りが板について来た気のする自分に呆れた溜息を吐くが。
でもその内、兄に新しい人形でも作らせてみるのも良いかも知れない]