[思えば、いろいろと無茶なことを要求した気もする。
実際に軍と庭師がどの程度の関係性を保っているか――…
それを知らないまま自由を求めることの無茶苦茶さに、
その背景はともかく、良く応じたものだ。
今さらながらに、そんなことをしみじみと思いながら]
……客って、誰ですかね。
[諦めるのも、運命を待つだけの人形になるのも、
全力でお断り申し上げる激しい性格ではあったけれど。
あの日、自分を捕らえた将校の姿を思い浮かべ苦笑する。
あの精悍ながら滲む厭らしさを持つ将校が客ならば、
きっと、暴れてもどうにもならないかもしれない。
そんな思考に諦めるのとは違う溜息を零して。
閉ざされた扉に翠の双眸を向け、来るべき時を待つことにした]