[海の旅は長いようで短く、いくらかの交流や対話の暇はあったかもしれないが、程なく波の向こうに、オプティモの港町が見えてくる]
[街は王府の軍に要所を押さえられ>>635、物々しい雰囲気に包まれながらも、しかし静寂を保っていた。王府の軍に逆らう者など有るはずもない>>636、主が不在の間に、そんな無駄な血を流す程、男は兵の教育を怠ってはいなかった]
『
[港に入る前、沖合の岩場近くまで来た時に、側近の私兵が囁いたが、男は静かに首を振る]
必要無い。
[やがて、この地の主と、異郷の客人を乗せた船は、しずしずと、オプティモの港に入港した。
王府の兵が阻もうとしなければ、そのまま一行は、クレメンスの館に向かうことになる。
アレクシスが薄羽の影のように姿を見せるのは、どこでの事だったか*]