…いえ、平気です。
[心配そうに顔を覗き込むシモン>>40に、答えながら、ふらふらと立ち上がる。
青ざめた顔をしているのは、無残な遺体を見たからではなく、自らに課せられた運命…できれば忘れていたかった恋人の「願い」を果たさねばならないときが来たと悟ったため。
そんなこと、シモンには知る由もないだろうが。
その後、遺体は自分が運ぶから、宿で休むよう諭された。
運ぶのを手伝うなら、肩を痛めている自分よりもオットーの方が適任だ。
彼が手伝うのなら、言われた通り宿に戻って、談話室にいる面々にゲルトの遺体発見を告げただろう。]