………っ、あ………、りがとう。
[>>30 気付けば縫合は終わっていた。
麻酔の力を借りた事もあってか、酷い痛みを感じることもなく。
髪を撫でていく少し汗ばんだ掌。
一度自覚してしまえば、それにさえも胸が鳴る。
その感情を、必死に押さえつけて。]
………大丈夫。あぁ、でも少し支えてくれると助かる。
[だから、エルナが部屋へと顔を出した>>6ときには安堵した。
これ以上二人で居ると、自覚したばかりの感情が、
暴走してしまいそうだったから。
食堂へと向かうため、松葉杖を片手に立ち上がった男の、
左目と左足。
ニコラスに巻き直された包帯が、温かいような、気がした**]