―非常事態:花屋Florence―
[船内に、一斉に非常事態を告げる警報アラームが鳴り響く。>>#4
その音を耳にした瞬間、作業中の手を止めて、いつもは袖を通さない制服に袖を通す。
ジッとチャックを上げ、ボタンを閉じて。
そして、今までほぼ開けられたことのない引き出しから、小さな輪状のイヤリングを取り出して装着した。
スイッチを入れた無線からは、途端にクレメンスの声が飛び込んでくる。>>5
船内ほぼすべての無線機の情報を集積出来る小型無線機。
おなじ引き出しから取り出した黒い飾り石の付いた短剣を腰に装備して。
どこからともなく現れたスノウ>>6に、準備は出来てると短く返答。]
……緊急事態は、官人として行動すべし……ね。
まぁ、守る義理はないんだけどね。
[叩き込まれた行動指針。
とても性にあってるとは言い難いのだけれど、それも籍を置く以上逃げられない定め。]