[ そして、その言葉通り、暇を見つけ、或いは無理矢理作っては、王都へと馬を走らせた。
稽古をつけると言いながら、半分以上はオクタヴィアスを連れ出して、遊び歩きに付き合わせるのが常で、王都の上屋敷の使用人連中からは、すっかり坊ちゃんに悪い遊びを教えるやくざな兄貴分、という認識を持たれていたようだが ]
せっかく王都まで来てんだから、小綺麗な貴族の屋敷ばっか見てもつまらんだろ?
こういうでかい街で、ほんとに面白いものがあるのは、きったねえ下町の方だ。
[ その下町には庶民の楽しみ、いかがわしい遊び場、そして、底辺に生きる者の生活が在る。
その中で、オクタヴィアスが何を見つけ、何を糧とし、何を喜びとするかは、その心に任せて、色々な場所へと連れ歩いた ]