[口に運んでくれたなら、もぐもぐして、またあーん、と催促。
みっつめあたりでやっと眠い目を擦り起き出して、自分で手を伸ばし、勝手に摘み始める。
そういえば、昨日はいちにち寝て過ごして、此処に来てからちょっぴり摘み食いしただけで他には何も食べて居なかった。
頭は未だぼんやり半分眠っていたけれど、甘酸っぱい果実に誘われはらぺこのお腹はすっかり目覚めたらしく、腹の虫が鳴いた]
……――おなか、すいた。
[ぽつり、零して大きく伸びを。
やっと観念し起きる気になったようだ。
隣の褐色うさぎに、おはよう、と、おいしいいちごと運んでくれた彼に、ごちそうさま、を伝えて、
毛布を引きずった侭食べ物を探してふらふらキッチンの方角へ――*]