[立ち尽くす姿にやはり礼を失していたのだと省みる>>47。
初対面の相手に不用意すぎた。
彼はここの尉官だろうか。
だとすればこの場においては同輩ではなく上官とも呼べる。
性格にもよるが、処断も覚悟するべきだろうかと
言葉を待てば目の前で顔が色を失っていく。>>48]
あ、あの、本当に申し訳ありません。
まるで野生の狼のような鋭さを感じたもので、
つい口走ってしまい……
[それほどまでに嫌われたのだろうか。
思わず敬礼を解いて一歩近寄る。
だが触れるにはどうにも躊躇って、
控えめな声で再度謝罪を口にするに止めた。]