[主《マスター》と呼ぶ相手以外には従う素振りも見せず、力で抑えようとする相手には味方であろうと容赦なく牙を向ける。そんな、狂犬じみた一面を持つ娘を恐れるものは少なくはない。それでも時折、言葉を向けてくる者もいる。もっとも、大抵はどこか噛み合わないやり取りで終わってしまうが] あたしに構う時間に、やる事あるんじゃないのか。[最終的に、こんな物言いで突き放してしまうのが常。そしてそんな時は大抵、癖のように左手首に着けた飾りを弄っている。決して他者が触れる事を許さないそれが何なのか、は。当の本人の記憶も曖昧なのだが。*]