[昨夜、仕事帰りに立ち寄った第2エリアの、一軒目はバーだったろうか。照明を絞った暗がりの向こう、ふと見かけた人物の横顔に、ふらりと引き寄せられた。フードから零れる長い髪に……古い記憶を一瞬 掠めた、赤い瞳。思わず誘い掛け、幾らか酒も勧めたりなんかしてから、やっと気づいたのだったか。 ……あ、あれ。こいつ男じゃね? ] ・