[彼の相棒を手にかけたものだから、断られるかもしれないのは重々承知の上だった。
高望みかもしれないとは、思っているのだ。
風が柔く吹いては、通り抜けていく。]
ウェル…
[視線を彷徨わせるヘーゼルの彩に、浮かぶ感情までもを窺い知る事はできないが。
逸れた視線の先に、何かある訳ではないのは分かっていたものだから、ただ、彼を見詰めるだけ。
ラメールへの恨みが全くないと言ったら嘘だ。
それでも、その恨みは言葉までで事足りるほどのものだった。
だから、まさか彼がそれを受け取る気でいたなどとは、想像もしなかったのだ。
そうして、彼が一通り語り終わるまで口を閉ざし、視線が一度自身の上に戻ってきたのを見て言葉を紡いだ。]
…… 死んだなら “好都合” な事だ。
もう一度 “生き直せ” ば良い。