―エピローグ・四年後、二人の食卓―[今日も二人は向かい合い、一緒に食事を取る。二人だけの食卓――リゼットがヤコブの元に引き取られてから四年が過ぎたが、どんなに忙しい日でも、それだけは、ずっと変わらない習慣となっていた。シチューを口にするヤコブを盗み見る。彼について皆が知らないたくさんのことを、自分だけは知っている。まるで、ヤコブの家族か恋人でもあるかのように。――わたしたちって、一体、何だろう。スプーンを口に銜えてリゼットは考える]